にじさんじ所属の人気Vtuberである叶さんの配信が炎上しました。
きっかけは、GTAのコラボ配信中のやり取りです。
相手への絡み方や悪ノリが、一部の視聴者から「不快だ」と受け止められ、SNS上で批判が広がりました。
ただし、この騒動で注目されたのは批判の多さだけではなく、むしろリスナーによる擁護の声の方が目立ったのです。
その様子に、Vtuber界隈から距離を置いていた人々は強い違和感を抱いたようです。
この記事では今回の叶さんの炎上を通して、Vtuber界隈に根付く擁護文化やリスナーの空気感の変化について整理していきます。
にじさんじの叶 炎上の経緯と問題点
GTAのコラボ配信において、相手に対する絡み方や距離感が「やりすぎ」と捉えられました。
これがSNSや掲示板で拡散され、批判の声が広がっていきました。
なぜここまで問題視されたのかというと、視聴者の中で「不快感を覚えた」という反応が一定数あったからです。
具体的には、過剰なイジり、過度な悪ノリ、相手への配慮不足といった点が挙げられました。
一方で、擁護派のリスナーは「にじさんじではよくあるノリ」「相手との関係性を考えれば問題ない」と主張しました。
こうして、批判と擁護が真っ向からぶつかり合う形になったのです。
Vtuber界隈の擁護文化と空気を冷やさないマナー
多くのリスナーは、配信の雰囲気を壊さず盛り上げることを優先する傾向があります。
不快に感じたとしても、表立って指摘せず盛り上げ役に徹する人が少なくありません。
また、批判的な意見が出た際には「遠回しに批判者を排除して波風を立てないようにする」動きも見られます
このような空気が、界隈全体に根付いているように感じます。
言ってしまえば、こうした文化があることで場の一体感は保たれやすくなり、しかし同時に正当な指摘すらしづらくなる側面も持ち合わせているようです。
にじさんじ特有の悪ノリ芸の文化
では、なぜ今回のような悪ノリが擁護されやすいのでしょうか。
その背景には、にじさんじの配信スタイルが関係しています。
にじさんじは黎明期から恋愛RPや当たり屋ムーブ、過激な掛け合いなどを行う文化を持ってきました。
例えば、月ノ美兎さん、樋口楓さん、葛葉さん、剣持刀也さんといった初期メンバーが中心となり、内輪ネタや際どい絡みを展開していました。
今回の配信も、こうした「にじさんじらしさ」の延長線上にあると受け取るリスナーが多くいました。
だからこそ擁護派は「これくらいで炎上するのはおかしい」と感じたのです。
Vtuber界隈の変質とリスナー層の変化
初期のVtuber文化は今よりも規模が小さく、リスナーも育成的な視点で見守る空気がありました。
「好きだからこそ間違いは正す」という姿勢が残っていたのです。
しかし、2020年以降の商業化・大規模展開によって、リスナー層が変質しました。
アイドル化が進む中で、推しを守る擁護文化が強まりました。
これにより、批判がアンチ行為とみなされやすくなり、健全な批判が許容されにくくなっています。
このため、外部から見た人々は「今のリスナーはおかしい」と違和感を覚えたわけです。
Vtuber界隈の今後の課題と健全性
今回の件は、Vtuber界隈が抱える複数の課題を改めて浮き彫りにしました。
主に、以下の4点が挙げられます。
- 悪ノリ芸の線引きが曖昧であること
- 批判と擁護のバランスが取れていないこと
- リスナー同士の空気読み文化が批判を封じ込めてしまうこと
- 運営の説明責任や透明性が不足していること
まず、悪ノリ芸の線引きが曖昧であることです。これが曖昧なままでは、視聴者の不快感が繰り返されやすくなります。
次に、批判と擁護のバランスです。擁護が強まりすぎると、問題の改善が困難になります。
また、リスナー同士の空気読み文化も問題です。必要以上に批判を封じ込めてしまう風潮は健全とは言えません。
最後に、運営の説明責任の不足です。企業として透明性のある対応が求められています。
これらの課題を放置すれば、今後も同様の炎上は発生し続けるでしょう。
Vtuber界隈は成長期を経て、現在は成熟期への移行を迫られているのです。
まとめ
叶氏の炎上は、単なる一配信の問題にとどまりません。
にじさんじやVtuber業界全体が抱える擁護文化、空気読み文化、批判排除の傾向を象徴する出来事でした。
今後も界隈が発展し続けるには、リスナー、配信者、運営の三者がそれぞれ健全な批判と擁護のバランスを見直す必要があります。
推し文化の楽しさを守りつつ、批判も許容できる環境作りが求められていると感じます。