「パワハラは訴えたもん勝ち!」「パワハラは言ったもん勝ち!」とよく言われますが、じつは嘘です。
ではどうして、「パワハラは訴えたもん勝ち」と言われるようになったのか?
それは、
- 個人の知識レベルが高くなったから
- パワハラ防止法が施行されたから
- 「パワハラ!」と言えば成立すると勘違いしているから
です。
SNSやネット上には、パワハラをしてきた上司などを訴えた成功談がよく書かれています。
その成功談を沢山の人が見たことにより、「パワハラは訴えたもん勝ち」もしくは「言ったもん勝ち」という認識をするようになったのです。
しかし、パワハラで訴えて勝つための証拠集めや訴える手順がしっかりとしていれば、裁判に勝つことが可能となります。
その反面、証拠がないとパワハラで訴えた人が負ける可能性が高いです。
そこで当記事では、パワハラで訴える時のデメリットや証拠がない時の対処法、また労働基準監督署に相談する方法などを紹介していきます。
当記事ではパワハラで訴えた人と訴えられた人の視点から、もと管理職をしていた私が解説していきます。
- パワハラは訴えたもん勝ちと言われるようになった理由
- パワハラで訴えるデメリット
- 証拠がない時の対処法
- 証拠を集めて正しく訴える方法
- 労働基準監督署と会社
- パワハラで訴えられた人のその後
- 訴えられた人の仕返しについて
- 部下からパワハラで訴えられた場合について
- パワハラを訴える人の特徴
ちなみにですがパワハラ問題を含め、これからの時代はいつどんなトラブルに巻き込まれるかわかりません。
もし巻き込まれたとして弁護士に依頼したくても、金銭面の事情により泣き寝入りする人は多くいます。
そこでお知らせです。
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「パワハラは訴えたもん勝ち」というのは嘘で、最低限パワハラを受けた証拠や精神的苦痛を味わったという診断書などがないとパワハラとなかなか認定されません。
また、パワハラをしたと思われる人の言い分も重要視され、本人が「パワハラをしたつもりがない」と断言すれば解決するまで時間を要することになります。
なので、
- 怒られた
- 注意された
- 気に入らないことをされた
程度では、パワハラとして訴えても勝つことは難しいです。
なぜ「パワハラは訴えたもんが勝ち」と言われるようになったのか?
パワハラは訴えたもん勝ちと言われる理由は冒頭でもお伝えした通り、
- 個人の知識レベルが高くなったから
- パワハラ防止法が施行されたから
- 「パワハラ!」と言えば成立すると勘違いしているから
からです。
個人の知識レベルが高くなったから
今の時代は昔に比べ、個人の知識レベルが高いです。
現代はネットが普及したおかげで困ったことがあればすぐにスマホで調べることができ、
「パワハラした奴を訴える方法」や「パワハラ撃退方法」など、すぐに実践できるのです。
なので今の時代は、一般の人が知らないやり方をすぐに調べて実行することができるので、個人の強さレベルが昔に比べ高くなったと言えます。
パワハラは訴えたもん勝ちと言われるようになったのは、
ネットのおかげで知識が付いて昔以上にパワハラを訴える人が多くなったからと言えます。
パワハラ防止法が施行されたから
パワハラ防止法とは、「改正労働施策総合推進法」の通称です。
【人事のミカタ】から一部引用
パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が、企業にはじめて義務付けられました。
パワハラ防止法が施行されたおかげで、企業は相談窓口などを設置するようになりました。
なので、気兼ねなくパワハラの相談ができるようになり、さらに会社側もすぐに動くことができます。
しかしパワハラは法律で明確にされ絶対に許さないという社会現象にもなり、それをきっかけにより「パワハラは訴えたもん勝ち」といった間違った解釈をする人が多くなりました。
「パワハラ!」と言えば成立すると勘違いしているから
パワハラは受けた本人が「パワハラだ!」と言えばパワハラになる、という間違った認識が広まっています。
よくドラマやアニメでも、「パワハラだ!訴えてやる!!」と言われた上司などが委縮するシーンをよく見ました。
ドラマやアニメは少し大げさに言ってあたかも当たり前のように振舞うので、現実世界でも通じてしまうのではないか?と勘違いする人が多くいるのです。
そして「パワハラを受ければすぐにでも訴えて懲らしめてやる」という思考になり、最終的には「パワハラは訴えたもん勝ちになる」と勘違いしてしまうのです。
訴えるからには、証拠集めが必須です。
パワハラで訴えるデメリット
パワハラで訴えるには当然デメリットもあります。
以下のデメリットを理解して訴えるかよく考えてみてください。
- 訴えるにはお金がかかる
- 解決するまで時間がかかる
- 負ける可能性もある
訴えるにはお金がかかる
パワハラ裁判では、「裁判所」と「弁護士」の2つに支払うお金があります。
裁判所では訴訟費用として高くても1万円程度ですが、弁護士費用になると最低でも50万円以上とされています。
もちろん勝訴すれば慰謝料請求ができてお金は戻ってきますが、仮に負けた場合は完全に赤字となってしまいます。
パワハラで訴えた場合で一番のデメリットといえるでしょう。
解決するまで時間がかかる
裁判はとっても時間が掛かります。
内容によりますが短くても3カ月~6ヶ月、長くて1年以上かかることもザラにあります。
なので、どうしても許せないパワハラ行為でない限り訴えるのはできるだけ避けた方がいいのが得策です。
負ける可能性もある
パワハラは立証するのが難しいとされています。
決定的な証拠集めが重要でいくら感情だけで訴えても負ける可能性があるんです。
なので勝訴するには、絶対に勝つことができる証拠を多くそろえておく必要があります。
証拠集めに関することはコチラで解説しています。
訴えるにも証拠がない時の対処法
会社や労働基準監督署に訴えようとしても、
「証拠がない」「証拠が集まらない」となると、なかなかパワハラを認められません。
では、「証拠がない時」または「集まらない時」はどうすればいいのかというと、
- 粘り強く会社に相談する
- 勇気をふり絞り加害者に向けてパワハラを指摘する
です。
上記の対処法は、どうしても証拠がない時でも必要最低限の行為なので、やらないよりもやった方が有利になります。
具体的にどうすれば良いのか解説します。
粘り強く会社に相談する
証拠がないと会社によってはすぐに動くことは難しいですが、相談する価値は大いにあります。
何度も言いますが、パワハラ防止法により会社はパワハラ防止する義務を負っているのです。(安全配慮義務)
仮に証拠がなくてもパワハラの相談を受けた会社は率先してパワハラの調査をし、これ以上の状況悪化を防ぎとめるように努めなくてはなりません。
なので、証拠がなくても相談するだけで会社は動いてくれるのです。
もしも証拠がないを理由に会社がまともに取り合ってくれない場合は、労働基準監督署に「会社が相談に乗ってくれない」と伝えましょう。
ちなみに労働基準監督署にパワハラを訴えてもやはり証拠がないので、「まずは会社へ相談してみて」と言われるのがオチです。
勇気をふり絞り加害者に向けてパワハラを指摘する
証拠がないもしくは集まらない時は、勇気を持ってパワハラをしてくる人を指摘しましょう。
いきなりパワハラを指摘された人は、反論してくるか暴言を吐いてくるかもしれません。
しかし、そこでひるまずに反論したことや暴言を吐かれたことを録音しておけば、証拠を手に入れたことになります。
反論や暴言はパワハラを認める行為になる可能性が非常に高くなるので、勇気を持って証拠となる相手の言葉を引き出しょう。
証拠がないのなら、作ればいいのです。
証拠を集めて正しく訴える
ここからは、パワハラした人を訴える為の集めておいた方が良い証拠を紹介します。
- パワハラされている時の音声や動画
- 他にパワハラを受けた人の証言
- 目撃証言
- 診断書
- 日記
- パワハラと思われる書面やメール
パワハラされている時の音声や動画
「証拠がない」時の対処法でも紹介しましたが、
パワハラされている時の音声や動画は絶対に欠かせない証拠となります。
音声なんかはスマホのアプリで十分ですし、動画だって以下のようなペン式の小型カメラを胸ポケットに差しておけば簡単に動画がとれます。
パワハラと思われる書面やメール
パワハラと捉えられてもおかしくないような文面やメールも重要な証拠となるので、必ず押さえましょう。
他にパワハラを受けた人の証言
他の人でもパワハラを受けた人がいれば、できるだけ協力してもらいましょう。
一人で戦うよりも複数人の証言があった方が有利に運びます。
しかし、なかには目立ちたくない人もいるので無理に誘うことは止めた方がいいです。
目撃証言
第三者の証言もすごく重要です。
パワハラを受けているところを他の人が見て証言してくれれば、かなり有利になります。
なので、パワハラを目撃した人に証言してもらう、もしくは署名してもらうようにしましょう。
診断書
パワハラを受けると精神的ダメージを負うので、心療内科へ行って事情を話し診断書を書いてもらいましょう。
診断書はパワハラを証明しやすいので必ず手に入れておきたい証拠です。
日記
日記も重要な証拠です。
日々パワハラを受けているとストレスや悲しみに押しつぶされ、どういった経緯でパワハラされたのか忘れてしまいます。
訴えるとなると、いろいろと細かくパワハラを受けている状況を聞かれるので、記憶があいまいだと信憑性に欠けてしまいます。
なので、毎日「いつ?どのように?パワハラを受けてどうなったのか」などを詳しく日記やメモに記すことにより、とても信憑性がある証拠となりうるのです。
以上の6つの証拠集めをして訴えれば勝つ可能性が高くなります。
パワハラで訴えるには労働基準監督署よりも会社から
パワハラで訴えるとなると労働基準監督署を思いつきますが、
そのまえに会社に相談しましょう。
会社は法律によりパワハラを防止しなくてはいけないので、なんとか解決しようと動くことになります。
しかし会社側がなかなか重い腰を上げないようでしたら、ここで初めて労働基準監督署に相談しに行きましょう。
労働基準監督署に相談すればパワハラの実態調査のために動き、会社へ解決するためのアドバイスや調査員を派遣したりすることがあります。
ちなみに、厚生労働省【総合労働相談コーナーのご案内】
から労働基準監督署について詳しく見ることができます。
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と思っている人へお知らせです。
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弁護士法人Mikata(ミカタ)へ無料で資料請求しに行くパワハラで訴えられた人のその後について
ここからは、パワハラを訴えられた人もしくは訴えられそうな人を対象にお伝えします。
パワハラで訴えられた人が負けたその後はどうなるのか?
それは、
- 懲戒処分になる
- 損害賠償請求される
- 刑事罰の対象になる
です。
懲戒処分になる
パワハラと認定された人は、懲戒処分を受ける可能性が高いです。
懲戒処分と言っても軽いもので減給かもしれませんし、最悪は自主退職をお願いされるかもしれません。
どれになるかはパワハラの度合いによって決まります。
ちなみに私が勤めていた会社のパワハラ上司は左遷されました。
損害賠償請求される
パワハラを受けた人がパワハラが原因で病院に通っていたりしていると、損害賠償請求される可能性が高いです。
パワハラを訴えた人はパワハラをした人からお金を取れるだけ取ろうとしてきます。
なので損害賠償請求されるのは覚悟しておいた方がいでしょう。
刑事罰の対象になる
パワハラ行為が殴る蹴るなどの暴行行為だと、暴行罪や傷害罪などが適用されるかもしれません。
また、人格を傷つけらるような暴言を浴びさせた場合、侮辱罪や名誉棄損といった刑罰の対象になったりもします。
例えば暴行罪の場合は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
第二百八条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
パワハラで訴えられて負けた人は、後悔してもしきれません。
パワハラで訴えられた人は仕返したら絶対ダメ!
パワハラで訴えられてムカついても絶対に仕返しはしてはダメです。
理由は、相手が身構えているからです。
相手が仕返しに身構えていると言うのは、パワハラした人が「もしかしたら仕返ししてくるかも」といったように、いつでも臨戦態勢に入っているという状況です。
もしも仕返ししようと思って、「電話での脅し」や「直接会っての恫喝」などをするとパワハラ被害者は必ず会社や弁護士に報告をします。
事実を知った会社は、最も重い罰、懲戒解雇をするかもしれません。
なので、パワハラで訴えられた人は仕返しをしないように気を付けましょう。
被害者はまちがいなくボイスレコーダーで録音してきますよ。
部下からパワハラで訴えられたんだけど・・どうすればいい?
パワハラをした覚えがなくても、部下からパワハラで訴えられるとどうすればいいのか?
ムカつくから仕返ししたくてもダメ。じゃあどうすれば・・・
そんな時は以下の対処法で乗り越えて下さい。
- 正当な指導・教育だったことを伝える
- かたくなにパワハラ行為をしていないと言い切る
正当な指導・教育だったことを伝える
正当な指導や教育だったことを必ず伝えましょう。
部下の仕事態度が業務上支障をきたすようでしたら、指導として厳しく注意することができます。
なので被害者がパワハラ行為をしてきたと主張してきたら、上記のような正当な指導や教育だったと伝えましょう。
かたくなにパワハラ行為はしていないと言い切る
「少しきつく言ったかな」と思っていても、パワハラしたと自覚がないのでしたら最後まで「パワハラ行為はしていない」と言い切りましょう。
もしかしたら人事部から「懲戒処分にするぞ!」なんて脅してくるかもしれません。
なので、会社から話を聞かれる時はスマホのボイスレコーダーを利用して、会社との話し合いを録音しておくといいでしょう。
録音しているのを知らず会社が脅して来たらしめたものです。
あとは弁護士に会社に脅されたことを伝えるか、逆にこちらから労働基準監督所に乗り込んで報告しちゃいましょう。
パワハラで訴えられたら、とにかく冷静に対処することが大事です。(取り乱し厳禁)
パワハラを訴える人の特徴
最後に、パワハラを訴える人(部下)の特徴を紹介しておきます。
以下の項目に当てはまる人(部下)には十分気を付けて下さい。
チョットしたことで「パワハラだ!訴えてやる!」と、言ってくるかもしれませんよ。
- プライドが高い人
- 自己中心的な人
- 注意するとすぐに言い訳する人
上記の人は、正当な指導や教育として注意したとしても、その時の機嫌で「パワハラだ!」と言ってくる可能性が高いです。
特に、「注意するとすぐに言い訳する人」には注意です。
すぐに言い訳する人は自分が悪いと言う自覚を持つことが少ないため、何回も注意したり指導したりすると「パワハラだ!」と訴えてくる可能性が高いのです。
なので、面倒でもできるだけ相手の意見に耳を傾けてあげて、うまくコントロールできるようにしたいですね。
最低限パワハラで訴えられないようにするには、普段から相手を尊重して、そして注意・指導するには人格を否定しないように心掛けしましょう。
弁護士は費用も敷居も高いから依頼しずらい・・・
じつは弁護士保険というのがありまして、月々の保険料を支払うことで弁護士さんに依頼することができるのです。
弁護士保険を利用すれば、いつ何時のトラブルにもウン十万円も用意することなく対処することができます。
無料で弁護士保険の資料をお取り寄せできるので、ぜひ検討してみて下さい。
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弁護士法人Mikata(ミカタ)へ無料で資料請求しに行くまとめ
「パワハラは訴えたもん勝ち」というのは嘘です。
パワハラは訴えたもん勝ちとして成立させたいのでしたら、音声や動画などの証拠を集めましょう。
そして会社に相談して、解決しなかったら労働基準監督署に相談しに行きましょう。
そこで証拠がないとパワハラで訴えても勝つことは難しく、かえって不利になります。
もしも証拠がない場合や集まらない場合は、粘り強く会社に相談したり加害者に向けてパワハラを指摘すると効果的です。
しかし、パワハラで正式的に訴えるとなると、お金がかかったり・解決まで時間がかかったり・負ける可能性がある、というデメリットがあるので気を付けましょう。
それから、パワハラで訴えられた人は、懲戒処分や損害賠償請求や刑事罰の対象になる可能性があります。
だからと言って被害者に仕返しすることは絶対NGなので気を付けましょう。
とにかく冷静に対処することが重要です。
パワハラはこれからもなくなることはないで、いつ自分がパワハラの被害者になるか加害者になるかわかりません。
もしもパワハラに巻き込まれそうになったら、自分の意見を押し付けたり捻じ曲げないようにうまくコントロールして対処していきましょう。
パワハラは、周りの足を引っ張る行為になるのでうまく避けましょう。